28.置いてかれた僕は


あまりにも夕日が切れすぎてたから
君への思い出を真っ黒に塗り潰してしまって
その過ちに気がついた時に少しだけ破って懐に詰め込んだんですが
それが少しだけ暖かくて僕の心をズタズタに安心させたのです

ついてない事に外も僕もどしゃ降りになりまして
天気予報を恨んだんですが心模様が過去の悲しみと溶け合ってしまったから
僕は汚い色になってしまったです

夕日で空が赤いのに
東側を向けば真っ青に染まってて
「ああ、そうだよな。」と、どこか一人納得したのでした

煙草の煙はふわふわと綺麗なのに
真面目な顔で君が体に悪いって言うから
「そりゃ、ないよ。」と、どこか腑に落ちないのでした


コンビニに行けばなんだって揃ってるから
きっと大丈夫なんて僕らは死んだような眼をして
不確かな事を信じて安心しちゃってる事に気がついてしまったから
このちっぽけな町に飛び出して線路沿いをうろうろしたのです

焼け焦げた僕の胸と脂に染まった部屋の壁を
ぺったりとくっ付けてみたら やけに目の前が橙色に染まりまして
君の顔を思い出してしまったのです

夕日が赤いのに
反対の空が青いのは
きっと確かなことでもあり 忘れてた事でもあり

でもきっと絶対に忘れちゃいけない事の様に思うのでした

夕日の色が
赤いのか 橙色なのか

それはきっと今ぐらいどうでもいいことで 忘れて良い事なのです
でもなぜだか憤りだけが其処においてきぼりなのでした
そして最後に延び過ぎた髪を掻き乱して溜息ばかりを吐くのです


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