26.痛いくらいの喜びを

ザリザリばかりが流れ
軽快なブギにあわせる
夕焼けこ焼けに染められて
僕はＳＯＳを打診中
止められないよこの感覚

ひしゃげたダンボールは
雨ざらしになってふにゃふにゃになりました
大好きだったあの子が新聞に載りました
一回半まわして一音上げる
けだるいオクターブ奏法
ガムテープで口を塞いでね

タバコをもみ消す時の音
遠くでカーブを曲がる車
セルライトを含んだ二の腕が愛しい

切れた電球を集めよう
大やら小やらそれぞれに
いつの間にか活けたフリージアは枯れた
ところどころ汚れて捨てた
投げた匙は拾えない
重い頭をもたげた柳並木
風になぶられ怒鳴り散らした
諭す言葉はもう見当たらない
電話代がかさむばかり
君の顔を思い出すばかり

後腐りの恋愛ばかりが転がって
僕はもう呼吸困難だ
くだらないね
もう帰ってくれ

炭酸水の風呂に入ろうぜ
泡に溶けてなくなりたい
不思議の森なんてどこにも無いから
桜でもみながらピルスナーを一気飲み
そうすりゃこのイライラも収まるさ
香水の残り香はもう消える

君の浮いたアバラと白い柔肌が恋しい

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